旬のお魚クッキング

〜カキ〜

カキ料理写真 カキは“海のミルク”と言われ、ヨーロッパでも美味な魚貝として歴史上話題を残し、また、日本でも貝塚に見られるように歴史は古く、しかも明治の終わり頃にはアメリカに移植しているほどです。栄養面も脂肪が少なく、良質のタンパク質や冬にぐ〜んと増えるグリコーゲンを多く含み、ビタミン、ミネラルも豊富な食材です。特に亜鉛の含量が多いので、味覚障害の方に良いとされています。つまり脂肪が少ないことはヘルシーで、グリコーゲンが多いことによって疲れを癒し、ビタミン、ミネラルが元気を与えたり、体の調子を整えてくれる食べ物です。


下処理をする

カキごはん

カキみそ

カキの土手鍋

カキと青菜のグラタン

カキの豆板醤炒め

から煎りする

カキのウニグラタン

カキのころも揚げ

湯通しする

生ガキのカクテルソース

生ガキの和風カクテル

カキ船

カキ鍋

かき油をつくる
 産卵期は5月〜8月頃で、この頃のカキは身も痩せておいしくなく、暑さで腐りやすいところから「rのつかない月にカキは食べるな」と外国でも言われています。しかし、夏が旬の“イワガキ”もあります。カキの種類は20種類くらいあるといわれていますが、私たちが食べる種類はほとんどがマガキです。また、漢字で書くと「牡蠣」と書くように、カキの雌雄は栄養状態によって変わるところから、昔はそれがわからず牡のみ、と思われていたようですね。
 カキは貝殻から外せば、“洗う”という下処理をするだけで、包丁を使うことなくすべて食べられるので料理が楽です。“洗う”目的はまず衛生面です。貝類は行動範囲が少なく、生息地自身の条件から微生物もつきやすいので繁殖すると危険も伴います。次に、貝の身をしめることによってかみ砕きやすく、口中での味わいがよく、消化もよくなります。生食から佃煮に至るまで、どんな料理の時もこの下処理はしっかりとやらなければいけません。そして洗ったらすぐに料理をすること。時間が経つと再び身もゆるんで汚れも出てしまいます。下処理をした後は、カキご飯カキみそカキの土手鍋カキと青菜のグラタンカキの豆板醤炒めなど色々なカキ料理に挑戦してみてください。こうして洗っただけですぐに料理をしてもおいしくできあがりますよ!
 次にから煎りをしてから料理をする場合があります。から煎りは水を使わずに加熱する方法ですが、一度さっと加熱したものを料理すると、できあがった料理のうま味を濃厚に味わうことができるとともに、風味が強くなります。また、再加熱をしてもカキが縮みにくくなりますので、カキのグラタンカキのころも揚げなどカキの風味が満喫できる料理に最適です。から煎りをしたときに出てきた汁は旨味が凝縮されていますので、そのままお椀や鍋などの汁物に使ったり、カキ油を作りましょう!
 次にカキを湯通しすれば、さっぱりとした味に仕上げることができます。湯通ししたカキは、そのまま食べても口当たりが滑らかで、ほのかな香りと甘味を味わうことができます。生カキのカクテルソース生カキの和風カクテルには生の味わいを生かした下ごしらえです。カキ船カキ鍋も他の材料との味、香りのバランスがもってこいの味を味わうことができます。
 時間があれば、さらにひと工夫してカキ油を作ってみましょう! カキを湯通しして出たエキス分の煮汁を煮詰めて作ったカキ油(オイスターソース)は、できたての甘さを持っているので、そのまま、うま味調味料として使うことができます。また、しゅうゆやみそなど他の調味料と混ぜ合わせれば、簡単オイスターソースのできあがり!チャーハンや炒め物のかくし味にぜひオススメです。ソースはきれいな容器に入れておけば3週間くらいはおいしく調味料として利用できますよ。

全漁連料理教室講師 田口道子先生
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った料理をご紹介します。