〜アサリ〜 |
アサリは産卵期が春と秋の2回あるため、おいしい旬も2回(寒中、初夏)ある、うれしい食べ物です。昔はたくさん獲れましたが、最近は環境変化で限られた場所、時期になりました。しかし、人の知恵で養殖、栽培漁業が行われているため、毎日の食卓に上ることができるのはうれしいですね! 栄養面も脂肪が1%という少なさが、低エネルギー食の材料にもってこいです。さらに体の調子を整える微量栄養素が豊富ですから、旬の時は毎日でも食べるといいでしょう。ただ、貝類は消化があまりよくありませんので食べすぎないように注意。それに昔から「活きている物を食べろ」と言われているほど、鮮度が落ちたら絶対に口にしないで下さい。 |
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買ってきたら、まずは砂を吐かせます。最近はほとんど砂抜きしたものが多いので、とりあえず1%の塩水に20分位浸して呼吸をさせてから、殻をよく手洗いして料理しましょう。一度、家で30分以上水に浸してしまったけれどすぐに使わない時は、貝が少し水面に出るくらいのひたひたの水加減にして、布巾か、ペーパータオルをかけて冷暗所や冷蔵庫の下段に保存しておきましょう。次の日まで置かなければならなくなったら、加熱の下処理をしておきましょう。アサリは長時間生息しないため、浸した塩水が腐敗しやすく、活き腐れが起きやすいため、食中毒のもとにもなるからです。 殻つきのまま料理する場合は、殻を手でよく洗ってから、みそ汁やわっぱ煮、アサリのチャウダーやブイヤベースはアサリを丸ごといただく、という味わいで、身も柔らかく食べられます。さらにワイン蒸して、そのまま食べたり、ボンゴレスパゲッティー、グラタンにしても美味!ワインのかわりに日本酒や老酒でもおいしいですよ。 殻を使わない料理の場合は、下ごしらえの料理として、むき身にします。昔の料理本では“むき身”といったらアサリのことを指しましたが、最近はむき身にされて市販されている他の貝が増えたため、「アサリのむき身」と指名されていますね。むき身は下処理として塩洗いをし、水洗いをしてから料理に使います。そのまま味つけされた煮汁の煮立ったところに入れて煮たり、小松菜とアサリの煮浸しや鍋料理など、昔ながらの料理や卵と炒め物もおいしいですね!むき身をから煎りして出た汁ごと料理に使う、ぬたや芥粒蛤子(からし和え)も手軽な料理です。ひと手間かけて、アサリずしや深川めし、アサリのチャウダーなどにもぜひ挑戦してみてください! 熱湯に殻つきのアサリを入れて貝が開いたら火を止めて身を取り出す方法ならむき身はもっと手軽にできます。ただし、うま身はゆで汁に流れ出てしまいますので、料理にあわせて使い分けてください。 佃煮や燻製にしたアサリは手元に当座の保存品として持っていると料理に利用したり、簡単に食べられますので重宝します!燻製にしたアサリを使ったコンブとアサリの佃煮は味わいが目新しくておいしいですし、佃煮を入れたお茶漬けもオススメです! うまみと風味が体中に染みわたるアサリ料理で春を満喫しましょう! |
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った料理をご紹介します。
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