旬のお魚クッキング

〜サワラ〜

アサリ料理写真 サワラは温、熱帯域に生息し、カマスサワラとヨコシマサワラが主な魚種として漁獲されていますが、世界中には20種類位生息しているそうです。カマスサワラは関東では別名‘沖サワラ’といわれ、冷凍魚で安く売られておりますが、味はいまひとつの魚です。ヨコシマサワラは中部以南に多く生息しています。春、産卵のために沿岸に集まって来るため、漢字では「鰆」と書きますが、やはりおいしいのは寒さが厳しくなるにつれ、身が締まってくる冬に漁獲されたものでしょう。特に寒中の「寒サワラ」は一段とおいしくなり、刺身としても珍重されます。また、サワラは「狭腹」と書いたり、サゴチ、サゴシと言われる1kg以下の小さいものを、「狭腰」と書くことがありますが、これはサワラの姿が細身のところから名づけられたといわれています。細身で、肉質が緻密のために身が崩れやすいので洒落た字をあてがったのでしょう。また、‘サワラぬ神に祟りなし’といわれ、身が割れぬように一尾ずつ、板の上に載せて市場に出回ります。


塩蔵アサリをもどす

そのまま

幽庵焼き

サワラご飯

アサリ粉をつくる

そのまま焼く

その他の料理方法

サワラのホイル焼き

サワラの押し抜きずし
かぶら蒸し
サワラのサラダ風
ばらずし
カンカンずし
サワラのムニエル

サワラの香味焼き

 サバの仲間のため、肉質が緻密でうま味の口当たりもすばらしいですよ。一般的に白身の魚として扱われておりますが、やはり、青身の魚独特の鮮度落ち、生臭みの特徴を持っているため、買ったらすぐに料理しましょう。普通、魚屋では切り身で売られていますので、購入する時は肉質の艶、血合い肉の鮮血色、皮の青黒い色合を見て選びましょう。
 刺身にできる鮮度の良いものはそのまま、切り身で買った場合の食べ方として一番に知られている食べ方はなんといっても味噌漬けの西京漬け、かす漬けでしょうか。そのまま焼いても、蒸しても、揚げ物に使ってもおいしく頂けます。思ったより手軽にできますのでぜひ挑戦してみてください。もうひとつの簡単な下味としては、みりんとしょうゆで簡単にできる利休漬けがあります。そのまま焼いてもおいしいですし、さらにゴマを入れたり、柚子を加えて幽庵焼きにしたり、サワラごはんを作ってもおすすめです。いつもと違うものを作るなら、塩漬けにしてから酢漬けにし、サワラのサラダ風にしたり、昔から作られているばらずしカンカンずしを試してみてはどうでしょう。余談ですが、サワラの卵巣も昔はカラスミとして作られていたそうです。今ではカラスミと言えばボラの卵巣ですが。
 サワラは洋風の料理にもとてもよく似合う魚です。代表的なものとしてはサワラのムニエルサワラの香味焼きホイル焼きなどがおすすめ。またお子さんのいらっしゃる方は、簡単にグラタンにしてもおいしいですよ。
 最後に、サワラに塩をして酒をかけ、春の山菜を乗せて蒸し物にしたり、玉味噌(卵黄入り味噌)を挟んで柏の葉に包んで蒸した柏蒸し、いり卵を挟んで塩漬け桜葉で包んだ焼き物も春ならではの料理です。
 
 この春、色んな方法でサワラのおいしさをぜひ満喫してください!
全漁連料理教室講師 田口道子先生
このページは、全漁連料理教室講師の田口道子先生が旬の魚を使った料理をご紹介します。