-----オホーツク海とサロマ湖の自然を舞台に(P4)-----
北海道湧別漁協
ホタテ加工所を見学
 
サロマ湖畔にある漁協直営の登栄床(とえとこ)水産加工所を見せてもらうことになった。サロマ湖は周囲91kmで湧別・佐呂間・常呂の3町にまたがる北海道最大の湖で、20kmの長い砂洲がオホーツク海と湖を隔てている。元々は淡水湖だったのを漁船が外海に出る不便さから昭和4年に掘削したという。湖口は約200mあり、冬場の流氷を防ぐために世界初の"アイスブーム"(流入防止ネット)が設置されている。加工所はその湧別側の砂洲にある。
三浦工場長

三浦進工場長に『乾燥貝柱』の製造過程などについて聞いた。それによると、2度の塩水(濃度7〜8%)ボイルや乾燥を繰り返し、仕上がりまでには25〜26日かかると言う。一等品は「黄金色で光沢があり割れがない」物で、いかに一等品を多く作るかは工場長の腕次第とも言える。「水分は16%まで落とす。水分がないほどカビは付かないが、長持ちして味が良いのは16%。天日干しすると生臭さがなくなり香りが出るので、遠赤外線乾燥機だけでなく日に当てる」と。外の干場に並べた日は雨を避けるのに雲の動きや風の向きを観察する。それでも年に1度はパニックになってとり込むことがあるそうだ。「手間ひまかけなと旨い物はできない。手を抜くと仕上がり品に現れる」と語る。選別所の一角に"長折"と呼ばれる木箱(60×40×30cm)があった。聞いてみると「水分を取ってねかせるためのもの」だそうだ。仕上がった貝柱は10種類の大きさに選別し箱詰め、格付け委員の検査を受け最終チェックされた後に出荷される。産直や直売店への供給もあるが、ほとんどは道漁連が取りまとめ香港などに輸出される。
三浦工場長はホタテガイのプロで、「殻を見れば何マイル沖のものかわかる。今年は放卵期が1ヶ月早く5月で、通常は少しずつ抱卵するが今年は2〜3日で一気に放卵した。初めてのことだ」と話していた。


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ホタテ加工所を見学
サロマ湖の冬はカキ
婦人部の皆さんと

ホタテ玉の選別