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真栄丸
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翌早朝、ホッカイシマエビ漁の漁船に乗せてもらえることになった。ホッカイシマエビ漁は7月1日から8月10日の間サロマ湖で行われる漁で、湧別(44隻)・佐呂間・常呂の3漁協110隻で行われている。乗船したのはエビ部会会長の佐藤芳文さんと息子の努さん所有の『第55真栄丸』で、午前3時半になると各エビ漁船は待ち構えていたように一斉にスタートした。サロマ湖の漁船は独特の"前ブリッジの船"が主体で、操縦場所が前方に2ヶ所あり、後方は荷が多く積めるようになっている。穏やかな湖面を多数の漁船がかなりのスピードで行き交う様は迫力があるが、船上から見る周囲の景色はどこをとっても絵になるような素晴らしさだ。
各船にはGPSが備え付けてあり、迷うことなく前日仕掛けておいたエビかごの場所に向かい次々にかごを上げて行く。サロマ湖の水深は最も深い所で20m、エビかごを仕掛けるのは7〜13mで、佐藤さんのかごには1つ目も2つ目もたくさんのホッカイシマエビが入っていた。直売店で見たのは茹で上げられた真っ赤なエビだったが、生のエビは緑がかった目立たない色で確かに"シマ"があった。エビを船上の海水タンクに移すとイワシの入ったエサ袋を入れ替え、また翌朝のために目印のある浮き旗をつけ湖に沈める。その日漁獲したエビは水揚げせず、2〜3日"エサ抜き"のため別の場所で活かしておく。従って、当日水揚げしたのは2日前に漁獲しエサ抜きしたものだった。エビ漁には「1人1日20かご・日産25`」という厳しい規制があり、3漁協が共同で守っている。佐藤さんはによると、「量的には昨年と変わらないが小型化している」らしいが、5〜6cmを想像していただけに立派に見える。
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ゆで上がったエビ
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約2時間後、水揚げしたエビを自宅の加工場に持ち帰り、出発前に沸かしておいた大鍋で5分ほど茹でると真っ赤なホッカイシマエビに変身する。次々に茹で上げられるエビは佐藤さん夫婦と努さんの3人で市場出荷用に選別される。やがて何とも言えない香りが食欲を誘い、茹でたてのホヤホヤを食べさせていただいた。何とも贅沢なことで「しっかり味わおう」と思ったからではなく、「本当に"味の深い(濃い)"旨いエビでした」。
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