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入札の準備が始まった |
入札は午前6時に始まる。その30分前から品出しが行われ40〜50人の仲買が参加する。「何を見るのか」聞いてみると「エビの大きさを見る」そうで、「今日のは中型、春の方が大きい。素干しするのは大きい方がいい」「今日は曇っているから干さないでしょう」と。入札は2回に分けて行われ、漁協の職員が船ごとの入札箱を集めて事務所に持ち帰った後に「○○丸、2万円から2万5千円」「はい、××10杯、△△20杯」と落札者が読み上げられる。この日の水揚げは853杯で、平均相場は`27,620円(高値31,800円、下値26,000円)だった。春に比べると幾分下げているらしい。この入札には船主が12人ずつ交代で立ち会うことになっている。
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宮原組合長に聞く |
入札終了後、第1、第2『高由丸』の船主・船長でもある宮原淳一組合長にお会いした。組合長は明治30年代から桜エビ漁を続けている家の三代目で、「昔は夜もオチオチ寝ていられなかった。夜でも漁に出ていたんで、子供の頃はよく自転車で乗組員を起こしに行かされた。好きな時に好きなだけ獲ってたんだね」「昭和40年代後半からプール制が導入され始め、
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宮原淳一組合長 |
52年(1977年)の大漁・価格暴落を機に全船プール制が導入された。55年の不漁から資源管理を徹底し産卵調査や漁獲方法をやってきたのが今につながっている」。 「平成9年は史上最低の水揚げ」で、例年2,200〜2,500dあったのが900dまで激減した。平成6、7年が大漁だったことと天候不良が要因だ。「ここの港は8割強が桜エビで、小さいから人工的に増やすことはできない。駿河湾全体が養殖場という考えで皆で大事に末永く漁を続けていきたい」としみじみ語ってくれた。
由比漁港では13年前から東名高速道路の外側に新港を建設する計画が進められている。これまでに沖堤と縦貫ができたが、ここ数年は中断しているようだ。「10年後に新しい港が完成すれば市場も蒲原と一緒になる。水揚げ金額は伸びないだろうし海を見せる観光や漁以外の船の利用も必要だろうが今の港ではできない。港ができれば夢も膨らむ」。
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