桜エビが漁協を支える
由比漁協は昭和43年(1968年)に隣の蒲原漁協と合併し、組合員数766名、所属漁船159隻。平成13年度の実績をみると、水揚げ数量2,225d・水揚げ金額30億353万円で、うち桜エビ漁業は1,729d・27億2,100万円。(他にはシラス漁業190d・1億6,830万円、定置網漁業292d・1億1,890万円)桜エビ漁業が数量で78%、金額では89%を占め由比港漁協の大方は桜エビ漁にかかっていると言える。
実石部長によると漁協経営も、「主要漁業である桜エビ漁が、好・不漁の波があっても、漁協経営は安定している。」というからたいしたものだ。また、近年は新聞やテレビ、日本酒のコマーシャル撮りなどがたびたび桜エビと由比漁港を取り上げ、「メディアが宣伝してくれるおかげで全国的に有名になり問い合わせも多くなった」とうれしそう。 |
桜エビ漁の始まりと生態
文献によると、「桜エビは成群性と日周移動性があり昼間は水深200~350mに分布するが、日没前に上昇して密度を高めながら20~60mに達し、明け方近くに拡散して下降を始める」とあり、桜エビ漁は夜間に2そう式の曳き網で行われている。しかし、漁の始まりは「明治27年(1894年)にアジ船曳き網漁船が夜間の漁で偶然漁獲した」ことからで、平成6年(1994年)には漁業100周年を迎えた。
桜エビの生息には駿河湾の海底地形やいくつもの河川の存在が係わっているようで、「体調5cm足らずの遊泳性の種類が漁業の対象になり、人の食物になっている例は桜エビを除いてはほとんどない」そうだ。「体の表面に発光器を持ち、ふ化後10〜12ヵ月で成熟し、産卵後は2〜3ヵ月で死ぬ約15ヵ月の生涯」とも書いてある。
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