無人島でバーベキュー
ハラワタを除いて海水で洗う 浜のバーベキューの
始まり

 無人島の野島に上陸すると、二人は浜辺でさっそくイシダイをさばき始めました。漁師流だから早くて大胆。ハラワタを取り除いくだけで、ウロコは付けたまま。「そのまま焼いたほうがうま味を逃がさないし、焼けた皮を除いて食べるから、気にならないよ」とのことでした。調味料は海水のみ。

 流木を集めて火を起こし、魚や貝類などを焼き始めると、セガニやイセエビは熱さにたまらずごそごそと逃げ出す始末。獲ったばかりの魚介を焼くのですから、まずいわけがありません。イシダイの焼け焦げた皮を箸で取り除き、熱々の身をほおばるとこれ以上ないほどしっかりと身が締まっていました。噛みしめていると、滋味や甘味がじわーとあふれてくるのです。これまではあらいや刺身でイシダイを味わってきましたが、このときばかりは焼き物にかぎると思いましたね。

イシダイの身がはじける

潜り漁師たちの自慢話が楽しい


後ろ髪を引かれながら無人島をあとにする
 そこに潜り漁師の塩田義人さんと日笠山昭さんが、別の漁船で加わりました。「島の漁師は いお(魚)ば獲って、ごっちょうするのが好きやい」ということで、こうした浜の集まりは珍しいことではないとか。箸をのばしながら、潜り名人たちの自慢話に耳を傾ける、こんな愉快な時間はめったにありません。

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