百聞は一見にしかず
 三重県漁連の研修会から戻った婦人たちは、地域の人たちに、もう一度、石鹸を使ってもらうことから始めなければなりませんでした。そのためには、まず石鹸と合成洗剤の違いをわかってもらう事でした。その後で、各地域で同じ水槽の実験をみんなに見てもらいました。地区ごとに開く研修会には、親子での参加も呼びかけました。水槽実験で、目の前で、魚が死ぬのはショックだったようで、その地区の石鹸の需要が急速に伸び、地区全体として石鹸を使おうというムードが急速に盛り上がってきました。

理解が早い子供たち
水槽実験で理解を深める子供たち
 地域で、学校で、公民館で、漁協婦人部の人たちは、組合の職員や地域の人たちと連携をとりながら、至る所で、この水槽実験を行い、石鹸を使う運動を繰り広げていきました。三木浦公民館で「親子環境教室」を開いた時の事です。水槽の中で、魚が苦しそうにしてバタバタと死んでいくのを見て、子供たちは目を丸くしました。水槽実験に参加した子供たちは、家に帰って、まず、自分の家で、合成洗剤を使っているかどうかを確認したそうです。そして合成洗剤を使っている家庭の子供たちは、合成洗剤の毒性を母親に説明し、「魚のように私たちも死んでしまう」と言ったそうです。
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CONTENT
熊野灘の漁村
運動の再出発
二つの水槽実験
三木浦の海は
百聞は一見にしかず
理解が早い子供たち
広がる運動
海は生命のふるさと

公民館の年間プログラム
親子学級の学習記録