二つの水槽実験
2種類の水槽での比較実験
 二つの水槽に同じように海水を入れ、片方には合成洗剤を、片方には、わかしお石鹸をいれました。合成洗剤を入れた水槽は、色は透明なままですが、石鹸を入れた方は白く濁ってきます。その中に魚を入れますと、合成洗剤を入れた透明な水槽のほうの魚は、苦しみながら、5分後には死んでしまいました。石鹸を入れた白く濁ったほうの水槽の魚は、そのまま泳いでいました。この実験を見ていた誰もが、改めて、合成洗剤の恐ろしさにショックを受けました。婦人部長の三鬼勢津子さんは「こんなに魚に悪い合成洗剤は魚だけではなく、人体にも悪いはずのものを多くの人が、平気で使って海に流しているのかと思うと一層ショックでした」と言っていますが、このことがきっかけで運動は盛り上がっていきます。

三木浦の海は
 この地区には、下水道の設備はありません。したがって、家庭の排水は、海に垂れ流しの状態でした。ゴミを海に捨てることを何とも思わない年月が続きました。大量の合成洗剤も一緒に流されていたのです。その結果、海岸線が白く泡立ち、ついに赤潮が出るようになってしまいました。磯の資源が心配でした。
 婦人たちは、毎年2回、わかしお石鹸の共同購入の注文をとります。注文した石鹸が漁協に届いたときに改めてその量に驚いたといいます。ミカン箱ほどの段ボウルに30個もありました。この地域でこの石鹸をつかわなければ、これだけの量の合成洗剤を年に2回も海に流すことになるとぞっとしたと言います。
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CONTENT
熊野灘の漁村
運動の再出発
二つの水槽実験
三木浦の海は
百聞は一見にしかず
理解が早い子供たち
広がる運動
海は生命のふるさと

公民館の年間プログラム
親子学級の学習記録