----- のり養殖のトレーサビリティーと観光事業に取り組む (P6)-----
香川県・東讃漁協
セリは地元消費が主体

  翌朝、7時半から始まるセリを見学した。底びき網漁船や建網漁船が入港し、タイ・カレイ・メバル・ワタリガニ・タチウオ・タコ・シタビラメ・コブトエビ…などが並ぶ。前日、活魚生簀に入れてあったイシダイを並べながら女性部の大津歌子さんは、「活かして売るためにセリの直前に水槽から出すので忙しい」と。しかし、ここでセリにかけられるのは水揚げの2〜3割で、大型定置網や多数の底びき網の漁獲物は高松市場に送ったり、産地仲買人が直接買い取り各地に送っているそうだ。

雪定鈴子さんと手押し車

セリ場の仲買人は地元の鮮魚店など約 15 人で、岸壁には移動販売の小型トラック数台と 1 台の手押し車が停まっていた。手押し車の主は雪定鈴子さん( 81 歳)で、「 60 年間三本松町内を魚売りに回っている。この車は特注で7代目」と元気一杯に話してくれた。


建網カレイ漁の村上さん

村上高信さん
カレイ

 セリが終わると、中山さんが白鳥地区で建網漁をしている村上高信さんの所に案内してくれた。村上さんは1ヵ月だけカレイ漁をし、その後はメバルに切り替えるという。建網の漁場は決まっていて、村上さんの漁区は海底が砂場になっていてカレイが毎年産卵にやって来る場所らしい。「他の魚はほとんどかからない。今が盛漁期で産卵は1ヵ月半で終わる。季節風(西風)が強いと浅い場所なので産卵に近寄らなくなる」と言う。また、「大潮から中潮に変わったとたんに獲れだす。次に大潮になるまでの正味半月の漁」と。漁獲量は 1 日 150 〜 200 sと言うが、「これまでの最高は1日に 530 s」で、「産卵に海水温は関係ないが、昔より半月遅れている」と話していた。活魚のまま高松市場に出荷される。


- 6 -
戻る