----- のり養殖のトレーサビリティーと観光事業に取り組む(P3)-----
香川県・東讃漁協
のり養殖で初のトレーサビリティー実施

  水揚げ金額の4〜5割を占めるのり養殖は(西から)馬篠・小磯・横内・三本松・白鳥の5地区で行われ、それぞれの沖合には浮流し式の1統 1,500m × 800m の張りがめぐらされている。漁協が養殖を始めたのは旧合併の翌年 1971 年(昭和 46 年)だが、組合長によると「うちの親父が昭和 43 年に湊川の河口で獲ったのりを加工したのが始まり」だそうだ。当時は手ですくってのり簾(すだれ)に伸ばしてしたという。価格も 1 枚 30 円と今の約3倍したらしい。

「香川県ののりは皆似ている。同じ事をやっていてはだめ、生き残るためには先をやらないと」―ということで、 2003 年からトレーサビリティーを取り入れたブランド化のためのパンフレットを作成、商社などに配布した。 16 人の生産者からなる『三本松のり養殖研究会』の面々が顔写真入りで紹介されるとともに、使用加工機械や生産工程などが記されたものでのり養殖業界では初めての試みだ。「大きな効果がありました」と組合長。アチコチから問い合わせがあり「昨年は他より 1.5 円高く売れた」。しかし、「だからこそ今年が大変。完璧な製品を作るための努力を怠らないよう担当職員も生産者に厳しく伝えている」と言う。今は県の共販では1〜2位のランクとか。「これをずっと維持したい」と真剣だ。

 のり製品は今、韓国・中国との貿易自由化問題に揺れている。これについて組合長は、「生き残るためには“受け入れられるのり”を作れと言っている。うちの生産者は1ランク上だが、いつも危機感を持ち修行を続けなければならない。どこの国ののりが入ってこようが日本の物は質が違う」と力強く語っていた。


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