----- 広域合併3年目は基盤強化と新事業展開を推進 (P3)-----
三重県・鳥羽磯部漁協
離島の嫁探しと寝屋子制度
 
島へ渡る市営船乗り場
 総務指導課の浜口輝満さんからは興味深い話が聞けた。かってテレビ放映もされていた“島の若者に花嫁を募集”する催しが今年初めて正式事業として行われることになったというのだ。合併前は各漁協単位で“青壮年部”の活動として行われていたが、今回は漁協・市・県の共催で『都市漁村交流対策事業』の一環として実施されることになった。「大阪・名古屋方面に広報し先週の土・日は大阪の女性面接をしました。明日は名古屋方面の女性の面接です」と。今年は答志島・菅島・神島の男性( 24 〜 51 歳) 21 名が応募している。平成 8 年の開始から昨年までに 44 組が成立し、漁協職員も参加してゴールインしているという。めでたく成立した場合は副賞として米 1 年分が贈呈されるらしい。
浜口輝満さん
浜口さんは、「 1 組でも多く結ばれてこの事業をしなくてもよくなればいいと思うのですが。嫁問題が解決するのが 1 番です」と準備に忙しそうだった。 答志島出身の浜口さんからは昔からずっと島に続いている“寝屋子(ねやこ)制度”についても話してもらった。「島に残る仲間でグループを作り義兄弟の契りを結び親とは別の“親”の家に寝に行く」という制度で、寝屋親との関係は一生続き義兄弟同士は事あるごとに集合するという。「私も中学を卒業するとすぐ布団を持って寝屋親のところに行きました。結婚すると引退ですが。精神的結びつきができ人間関係も密になります」と浜口さん。信頼できる人が寝屋親になるので親にとっても名誉のようだ。

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