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8時を過ぎる頃になると県外イカ釣り漁船の水揚げが始まった。
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イカ釣り船の水揚げ |
この日は22隻の入港が予定されている。市場のすぐ脇に『こっとい』という売店があり、飲料水・食料・日曜雑貨品・漁具などが販売されている。漁協の購買事業の一つだが、「イカ釣り船がいっぺんに入るとてんてこ舞いになる」と女性販売員。県外イカ釣り船が利用することが多く、彼らの要望に応え利用しやすくすることは船の誘致にも一役買うことになる。
豊北町漁協が県外イカ釣り漁船の誘致に成功している裏には職員一人一人の努力があった。それは水揚げに当たり職員が水際で瞬時に判断しイカの選別を行っていることだ。全ての船に公平にイカのランク付けをし、同ランクの物をまとめてセリにかけることで各漁船はいつ入港しても同条件で扱われる。この方法で漁師の信頼を得たばかりでなく、セリ後の仕分け・運搬も効率よくできるようになった。漁協職員は選別に対する教育・訓練を積み期待に応えているようだ。 |
50年続く地元住民のためのセリ
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9時から阿川支所で“地元住民のためのセリ”が行われると聞き移動した。もう50年以上も続いているというこのセリは粟野理事がセリ人を務めていた。漁協の所属漁船は基本的には特牛の市場に水揚げすることになっているが、数が揃わないもの、
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粟野理事がセリ人
中央左は村井副婦人部長 |
雑物などは阿川に運ぶ。買人は近所の主婦など一般の消費者で、土・日・祝日には近県からも買い物に訪れるようだ。セリ場は古びた小さな小屋だが風情がある。サイレンの音を合図に中央の魚を並べる台を囲み、粟野さんのもとで小分けの1箱ずつがセリ落されていく。買人の中には、「昼食に土地の料理を紹介しましょう」と言って下さった婦人部の村井郁子副部長の姿もあった。この日は少量だったが、新鮮なヤズ・カサゴ・メバルや関アジ・関サバに負けないくらい立派な大型のアジ・サバも上場され、あっという間に捌けてしまった。 |
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