----- 旨い魚貝類の隠れた宝庫があった(P2)-----
山口県・豊北町漁協
→それによると、現在支所となっている各漁協は各々が市場を開設していたものの、取り扱い規模が小さく仲買人の購買力も弱く市場としての機能を低下させていた。そこで、漁業者の経営安定のため統合魚市場推進協議会を発足させ、数百回にわたる協議を経て生産者の全面出荷体制を整え特牛(こっとい)に“豊北町水産物地方卸売市場”が開設されることになった。しかし、仲卸人の反発もあり経営は厳しく一時は崩壊寸前の事態にまで陥ったという。「ところが“神風”が吹いた」と組合長。県外の沖合イカ釣り漁船が水揚げ基地として利用するようになったからだ。おかげで市場経営は一気に上向き、同時に漁協合併の気運も徐々に高まった。  
定年帰漁型漁業
島戸(本所)漁港
現在、豊北町には豊北町漁協と角島漁協の2漁協あるが魚市場は共用している。両漁協にはそれぞれ異なる歴史的背景があり、それが合併に至らなかった要因ともなっているようだ。漁業経営の特徴をみると、豊北町漁協は“定年帰漁型漁業”で高齢者主体であるのに比べ、角島漁協は若年者や専業漁師が主体となっている。豊北町地区は遠洋漁業・外航船・沖合延縄漁業などの乗船員が多かったこと、戦後は水産主要基地となった下関・戸畑が近かったことなどで就労の機会に恵まれ、定年後に村に戻って沿岸漁業に従事するライフスタイルが形成されていた。一方、角島は明治40年に念願であった地先水面専用漁業権を取得し、島民一体となった沿岸漁業を行ってきた。平成13年度の市場取り扱い金額を見ると約4割が県外イカ釣り漁船によるもので、他地区(角島)35%、豊北町18%と角島は豊北町の約2倍となっている。両漁協の状況は異るが、地域漁業経営を維持していくという共通の大目標は変わらず、近い将来には新たな進展があるものと思われる。

 

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定年帰漁型漁業



県外イカ釣り漁船への配慮
50年続く地元住民の為のセリ
海の恵みがいっぱいの磯
婦人部と郷土料理
過疎地漁村からのメッセージ