-----旨い魚貝類の隠れた宝庫があった(P3)-----
山口県・豊北町漁協
潮がいいからウニも味が違う
 
漁協生産のウニ商品
豊北町漁協の漁業種類を見ると採貝・採藻がもっとも多く、続いて一本釣り、建網となっている。大田組合長は若い頃、素潜りで10数mは難なく潜りウニやサザエを獲っていたらしく、「明治時代からウニを獲る方法がある。ウニはここのが1番、潮がいいから味が違う。」と言う。原料を本所に集め漁協で調整してビン詰め加工しているというウニ(ムラサキウニ)を食べさせてもらったが、確かに濃厚なクセになりそうな逸品だった。1本700g入り、税込み2,000円のウニのビン詰めは年間1万〜1万3千本生産される。
 一本釣りではアジ・サバ・ヤズ(ブリの当歳魚)・タイなどが水揚げされ、角島沖5マイルの“汐巻礁”が好漁場になっている。「響灘の南にスルメイカ・ケンサキイカの産卵場所があり、イカを狙って青物がつくところを擬餌で釣る。時期や場所によって擬餌を工夫し、1本の糸(10m)に10個位の擬餌を垂直にたてる」と塩瀬副組合長。一本釣りと聞いて竿で釣るのかと思ったら、「竿を使うのは漁師のうちに入らない。漁師の沽券(?)にかかわる」そうだ。
 粟野理事は5年前まで小型定置網漁をしていて、「一時は年間3,000〜4,000万円の水揚げがあった。10年前には10〜15`のマグロも入っていたが、沖合で獲ってしまうから魚が根に着かなくなった。魚の豊かな海だったのにハッと気付いたら急に魚が少なくなって生計が立たなくなった」と残念そうに話す。何でも戦前の定置網にはイワシクジラや200`級のマグロも入っていたらしい。
ケンサキイカは“タンポ流し”を取り入れるようになって昼間の周年漁になった。それ以外は夜間に集魚灯を使って漁獲する。4d級の船が主体だが、豊北町沖合は船の大小に限らず集魚灯は「1,500ワットを6個」という規定がある。


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潮がいいからウニも味が違う


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