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2艘曳きトロール船
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午前5時をまわった頃、待望のトロール船団が入港してきた。第15、第16『海幸丸』各125dで、2隻が並んだ光景はさすがに勇ましく軍艦を彷彿させる。漁労長は好青年といった感じの浜田淳二さんで、船が着岸するとすぐに水揚げ作業に入った。次々に降ろされる魚の詰まった箱はなんと700箱、しかし全盛期に比べるとずいぶん減っているらしい。
そこで運良く、船主であり漁協の副組合長でもある宮本利之さんにお会いした。早速、八幡浜の現状などについて聞くと、「魚種が多く漁業種類も多いのが特徴。底曳き・巻網・延縄など漁船漁業から養殖まであるが、最近は漁も減り魚価も下がって厳しくなった。水揚げ金額は最盛期のころの半分(昨年65億円)にまで落ちている。漁業の存続をかけて将来に夢をつなげるためには、沿岸・沖合いの対立ではなく漁業者として皆で協力して守っていかなければと思う」。また、「大事なことは消費者サイドに立った商品、付加価値販売をしていくことだ。今までは沖の漁に合わせていたが、セリを6時間早めれば高松・松山のその日のセリに間に合う」「開いたりスリ身にしたり消費者サイドに合わせて加工し提供することや商品開発もしなければ。養殖・栽培漁業もあるが、天然の漁船漁業が大事」「量的には問題ないが魚価安がどうしようもない。タイは10年前には15`入り(3〜4尾)が4万円だったが、今は8割安の1万円にまで下がっている。魚価を上げればすべてうまくいく。安定供給するためには経営が成り立つようにすること。自給率の問題でしょう」などなど忙しい中で快く話してくれた。
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