イメージを一新するハマチ養殖 |
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魚類養殖研究会代表 浜 俊二 |
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12月から1月にかけてハマチの出荷の最盛期です。朝の1時半から3時半にかけて、生簀(いけす)から揚げた魚をしめて高松にトラックで送ります。そのあと少し休んで活魚の出荷、餌やりで午前中かかります。
私たちの魚は2年物の4キロ程に成長したハマチです。水深4メートル程の浅い海での養殖ですから魚が越冬できないのです。水温が8度以下になるとハマチは死んでしまいます。それにしても1年間育てて1キロ当たり600円から650円では、何のために苦労してきたのかわかりません。去年は850円でしたから、せめてそれくらいで売りたいですね。確かに今のハマチはかつての養殖ハマチとは違います。餌も養殖の環境も改善されて、身はひきしまり色も限りなく天然物に近くなっています。そして、何よりも私たちはハマチ単独の養殖から複数の魚種養殖に転換してきています。今年のようにハマチが暴落したときの危険を分散するためです。トラフグやタイをやっている人もいますよ。私自身は、現在、ハマチ、カンパチ、スズキ、ヒラマサの4魚種を中心に経営しています。
養殖が時代の要求にあっていることはわかっていますが、例えば皆がハマチに集中すれば、安くなることはわかりますから、将来のことも考えています。23人で養殖研究会を組織して、ハマチの代替を探しています。これまで、キジハタ、タコ、ヒラメ、トリガイなどを研究してきましたが、いま取り組んでいるのが「ブリヒラ」です。
ブリヒラは、ブリとヒラマサの雑種で近畿大学で開発された魚です。成長が速く2年で4キロ程になります。ハマチとヒラマサの双方のよさを備えているので、評判はいいと思いますよ。これから出荷が始まるところです。 |
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