2002年1月
瀬戸内漁業の今が見える
香川県庵治漁協


賑わってます!日曜市
日曜市底曳き船代表 蜂須賀 義則

* 初めて魚を売った時
私たちはこれまで、魚を獲ることばかり考えてきました。岸壁に水揚げした魚は、漁協が売ってくれるからです。その魚を買ってくれる人のことなど考えたこともありませんでした。ですから4年前の初めての市は散々でした。声が出ないのです。「いらっしゃいませ」の一言が声にならないのです。他の地区の朝市を視察にも行きました。お客さんの対応の仕方について練習もしました。でも本番ではダメでした。「ありがとうございます」と頭を下げることも忘れてしまうのです。何よりも、開始時間前から押し寄せるお客様に対応もできませんでした。売り場には立ったが、レジが間に合わず、何本かの魚はお客さんに持っていかれてしまいました。なにしろ、漁協の冷蔵庫の前にテントを張っただけの急ごしらえの売り場でしたからね。去年から常設の建物になって楽になりましたね。

賑わう日曜市
* あっという間に売り切れ
毎週市場を開設するようになったのは、昨年からですが、その前の4年間は、毎月1度だけでした。底曳船の仲間で日曜市に参加しているのは20人ですが、これを4つのグループに分けて交代で魚を出しています。他の業種の人たちと一緒の朝市ですが、魚の種類から見れば私たちのグループが中心です。朝、漁から帰った人が、その魚をこの市場に運びこみます。普段の日ですとそのまま家に帰って食事をして風呂に入って一休みするのにそのまま売り場に立つので、正直大変です。しかし、お客さんに魚の名前を聞かれたり、食べ方を聞かれたりして、言葉を交わしている間に人と人とのつながりができてくるんですね。お客さんといい話ができれば、また来てくれるということもわかりました。
子供たちに人気のつかみどり
毎週300人を超えるお客さんがありますが、開場を待ちかねたように3時間も前からもう行列です。9時開場ですが、8時前には行列ができているのです。20分もするともう8割は売れてしまいます。
子供連れも多いことがわかったので、年末には浅い水槽に小さな魚を入れて、「つかみどり」のサービスも始めましたがこれも好評です。
-5-
戻る
次へ
CONTENT
海を愛し、暮らしを支えて
魚は大きくして獲るのが一番!
消費者とのつながりを求めて
賑わってます!日曜市
イメージを一新するハマチ養殖
庵治の素朴な家庭料理