2001年10月
浜の総合センター・くまの灘漁協から
三重県くまの灘漁協


藻場をつくる 〜海の資源を育てる
方座支部青壮年部 部長 粉川 隆市

 このごろガンガゼ(とげの長いウニの一種)が急に増えているんです。同時に「磯焼け」です。カジメやアラメなどの藻場が無くなってきてるのです。藻場は魚の産卵場であり、稚子魚の育成場であり、アワビやサザエの餌場なのです。ですから藻場がなくなるとそこでは漁業は成り立ちません。そこで私達は、何とかして藻場を復活させようと研究を続けています。はじめは小さな藻を海底に移植して見ましたが、育ちませんでした。それもその筈です。そこは藻が育たない場所になってしまっているのに、苗を植えてもだめなのです。いま試みているのは、砕石に腐葉土を乗せたものを禁漁区の近くに入れています。先日潜って見ますと僅かですが海藻が見えています。上手くいくかもしれません。

 ヒントは海岸にある樹木に囲まれた天然の池でした。一帯の海底から海藻がなくなってきているのに、この池の前の海の底には海藻が茂っているのです。ミネラルなどの栄養分を含んだ池の水が海に染み出して来ているのではないかと考えたのです。最近では開発がすすみ、周りの山の木が少なくなってきている事を皆が知っています。山から海に注ぐ水の中の栄養分が、実は海藻を育ててきたのだと思うのです。そこで海に腐葉土を入れることによって海藻を育てようと言うわけです。
 気の長い話ですが、10年後の豊かな海を目指して頑張っています。

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