-----海業(うみぎょう)事業を柱に沿岸漁業を持続(P3)-----
神奈川県・みうら漁協
松輪支所・間口湾
松輪支所に停泊中のキンメダイ漁の船(4.9トン型)
 「それでは」ということで松輪支所に案内してもらった。松輪支所には三浦半島の南東端である剣崎を挟んで東側の間口湾、西側の江奈湾がある。“松輪サバ”漁獲の中心となっているのが間口漁港で、ここでは代々地先に居つくサバの一本釣りが行われている。みうら漁協の中では松輪支所が最も所属漁船が多く、漁業者の高齢化や後継者問題が進む中でも若い漁業者が育っているという。
 
「うらり」で売られているキンメダイ
県道からそれて狭い急斜面の道路を下っていくと、目の前に突然パッと港が現れたので驚いてしまった。おまけに間口漁港にはその日、強風と高波で出漁できない漁船が支所の前にもぎっしり陸揚げされていたので圧倒されてしまった。支所の古怒田(こぬた)勝広さんによると、間口には4.9d型を中心に約100隻の漁船がいてサバ・キンメダイ・イカなどを漁獲していると言う。「夏はサバ、冬はキンメが主体。
古怒田(こぬた)勝広さん
1船には親子とか兄弟で1〜2人乗り。近い漁場だと朝4時ごろ出て昼に漁をして夕方帰港する。漁場は伊豆七島の新島から八丈島沖で漁場が遠いと4〜5日帰らないこともある」そうだ。“松輪サバ”漁は東京湾の伝統的漁業で、脂乗りが良く尾ビレが少し黄色っぽいサバだそうだ。「10年くらい前までは1sを超える大型が揚がったけど最近は小型化している。特にこの5〜6年は漁が少なくなった」と資源悪化を心配する。また、「漁業だけだと厳しいので8割は釣り船と兼業している。半農半漁の人も多い。これからは自然を収入に変える方法を考えないと…」と真剣な表情をみせた。松輪には独自の荷捌場があり、ここに水揚げされた魚は築地をはじめ東北・大阪などに共同出荷している。

-3-
戻る
次へ
CONTENT
松輪支所・間口湾
シケで入港漁船はなかった
永塚販売所長に聞く

みさき海業センターとレストラン“はまゆう”
漁協のホームページのご案内