地元漁業会の資金作り
ヒジキ刈りは大潮の日に
行われる

酒井さんによると、富浦町多田良西浜のヒジキ刈りは、3月下旬から上旬にかけての大潮に、年に2日だけ解禁されます。「1日は多田良西浜漁業会が行うもので、多田良西浜の磯が漁場になります。明日がその日なんですよ。もう1日は富浦町全体で行われ、それは明後日に解禁されます」

 翌朝、民宿「げんべい」の目の前の浜で待っていると、潮が引き始めた9時ぴったり、海上に浮かぶ漁船に合図の旗が上がり、ヒジキ刈りがスタートしました。漁業権を持つ多田良西浜の住民が、いっせいに磯へ出てヒジキを刈りはじめました。広い砂浜にはたちまちヒジキが山積みになり、それを海産物問屋が次々にトラックに乗せて運んでいきました。潮が満ちてきた午後2時頃に終了。

「今日のヒジキは生で出荷します。私たちは日当をもらって、余った売り上げは多田良西浜漁業会の予算になります。明日は自家用や商品にするためのヒジキを刈ります。私は毎年大房岬の磯で刈ることにしているんですよ」

酒井さんは明日のヒジキ刈りに備えて、早々に寝床につきました。



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