安房はトビウオ漁、一湊は首折れサバ
安房港は安房川の河口にある。安房川の上流にはかって屋久杉の伐採基地があり、昭和 45 年( 1970 年)まで搬出に使っていたトロッコ道は今も残っている。また、河口付近には木材を集める「安房貯木場」があり安房は林業の拠点でもあったようだ。
|
羽生隆行組合長 |
羽生(はぶ)隆行組合長は、一本釣りが行われている島の南西にある栗生(くりお)の方で、「道が整備されていなかった昔は 15 の集落ごとに孤立していて言葉も違っていた」と言う。島の中央部分の約9割を険しい山間部が占めるという地形がそうさせていたのかもしれない。漁協も昭和 40 年頃から島の北部が上屋久町、南部が屋久町の2漁協に分かれ漁法や対象魚種も異なっていた。合併後は安房に本所、島の最北部の一湊(いっそう)に支所、栗生に出張所を置き、安房と一湊にはそれぞれ市場があり入札が行われている。組合長によると、「安房は水揚げの 7 割がトビウオ漁で、一湊は主に首折れサバ(鮮度保持のため首を折って血抜きをした活け〆サバ)。栗生には荷捌き場はあるが荷のほとんどは鹿児島中心に島外に出荷している」そうだ。 |