宮崎県・宮崎漁連
  →宮崎県漁連サイトへ
バイオマスプラスチック魚箱が
並ぶ市場

「鬼の洗濯板」

 宮崎県は国内でも『住みやすい県』としての評価が高く、フェニックスやパームツリーの並木は南国のリゾート地を彷彿させる。長い海岸線 398km は日南海岸国定公園に指定されるとともに、全国一の近海カツオ・マグロの水揚げ基地でもある。その地で今、漁業界に革命を起そうとする画期的な活動が始まっていると聞き訪れることになった。魚介類を入れて市場に出荷する発泡スチロール箱が主流となったのはどのくらい前からだろう…。しかし、少なくとも 15 〜 16 年前からは使用後の箱の処理が問題視され、世界的に環境問題が問われる現在に至っても解決することなく業界の苦悩の種となっている。そこで、宮崎県漁連は平成 16 年度からこの石油系製品の発泡箱に変わる魚箱として植物由来の生分解性製品“バイオマスプラスチック魚箱”の導入を試みることになったのだ。



日南海岸の青島漁港へ向かう
 
日高直泰業務部次長

12 月に入っても宮崎市はコートが邪魔になるほどの暖かさだった。空港に迎えに来ていただいた宮崎漁連の日高直泰業務部次長は見るからに行動力に溢れた方で早速、“バイオプラスチック魚箱”を使用して出荷作業をしているという青島漁港に案内してもらった。

 『青島』は市街地から 15km 南下した場所にある観光地で、周囲 1.5km の島にはビロー樹やシダ類が生い茂り、島の周囲を被う“鬼の洗濯板”と呼ばれる縞模様の波状岩の景色や隣接する白砂のビーチは素晴らしい。小学生の頃、旅行に来た想い出が甦る。

矢部廣一組合長

 宮崎県内には平成 15 年 11 月現在で県北(8)、県央(6)、県南(6)に 20 の漁協がある。青島漁港に本所を置く宮崎市漁協は平成 14 年7月に沿岸漁業を主体とする青島漁協と、近海マグロ延縄が主流の内海漁協が合併して新設されたもの。国道沿いに“青島どれ”と書かれた旗がなびいている直売所があり、イセエビの活魚水槽もあった。定置網漁業をしているという矢部廣一組合長にお会いし漁協の取り組みなどについて聞いてみた。

-1-
次へ