----- 町ぐるみの販売事業展開と天下の絶品“マコガレイ” (P3)-----

北海道・ 上磯郡漁協
組合長、事業部長、青年部長に聞いた


  中の川支所では山ア博康組合長、秋山公司事業部長、西山徹青年部長に話が聞けた。

山ア博康組合長
山ア博康組合長は、「今までの流れと違い職員の移動などもあり浜がまだ少し落ち着かない」と言いつつ、「知内はカキ養殖を主流にマコガレイなど活魚販売、木古内はタコが主流でホタテ養殖が多い、上磯はまなすは 100 %コンブ養殖、上磯はホッキ貝とイワシ・・・とそれぞれ漁業形態が違うが、魚価の安定が基本なので各支所で魚のブランド化を目指している」「北海道大学の調査で木古内湾は資源的に優良な漁場であることが判明した。マコガレイは育てるのが大変なので天然物を上手く管理しながら持続的に利用していく」「 北海道は、大型漁船・底引き漁船などの減船や後継者問題で北海道全体の組合員数はこの 10 年間で 20% 減った。しかし、この地域のように、浜に生産基盤ができてくれば若い人も自然に入ってくる。将来展望なくして組合の運営もない。各町村の力が違うので一本化は難しいが、どう調和をとっていくかが問題だ」など話してくれた。

秋山公司事業部長
 また、事業部長の秋山公司さんは、「ブランド化を強力にし、販売していきたいが、いかに売り場を探していくかだ。ロットの大きいのはなく小さいだけに手をかけられる。“鮮度が良くて旨い”間違いなくきっちりした物を送れる」と自信を覗かせる。また、「生鮮品はロングラン品にはなれないので常に売り方の提案をしたい。料理方法を含めた提案で“骨の付いた魚は旨い”という結論に行き着きたい。今、 30 代の小学生をもつ家族をターゲットに“骨のから揚げ”を考案中。安ければいいという回転寿司の時代は終わった。運賃・コストを抑え少なければ少ないなりに考えたい。末端(売り場)の人に良い物をいかに理解してもらえるかだ」と語り、「やることが一杯あるので楽しい」と本当に楽しそうだった。

青年部長の西山徹さん
 青年部長の西山徹さんは JF 北海道漁青連会長、 JF 全国漁青連副会長でもある。鮮魚の一般小売業を経験後、浜に戻り父・弟とともにカキ養殖、マコガレイの底建て網漁をしているが、「青年部に加盟する人が少ない」という。現在 50 名の部員で「 35cm 未満のヒラメにタグを付けて放流、追跡調査をしている。昨年 1,000 尾放流したものが前浜で捕獲され 100g 成長していた」と。また、「子供たちに前浜の漁業の仕組みを教え、海に親しみ理解してもらいたい」ため活動を続けている。そして、「もう一つ核になるような漁業を探せれば安定し、産業としての漁業を見つめなおしてもらえると思う。現状をもっと良くしていきたい」と明るく元気に話してくれた。西山さんがいる知内地区では若い人のUターンも増えているらしい。


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