-----国内有数の周年リゾート地をバックに近海・沿岸漁業(P5)-----
静岡県・伊東市漁協
川奈支所へ
 
前島漁労長
翌朝5時半、定置網の水揚げを見せてもらうため川奈港に向かった。風もなく天気も良い1日になりそうな朝で出港は間違いなさそうだ。川奈支所ではすでに漁労長の前島昭吾さんが来ていて、乗組員が魚槽に氷を入れたり着々と出漁準備が進められていた。前島漁労長によると、定置網の設置場所は沖合1km、船で5分ほどの水深72〜73mの場所で、「15年間同じ場所でやっている。その前は夏網、冬網で分けていたが今は周年張り。潮の流れや水の温度が影響するが、この時期はアジ・サバが中心。ブリは桜の咲く頃から入り始める」と言う。
 
魚群探知機
その時、事務所内に置かれた魚群探知機が「魚が入った」ことを知らせた。 「水深25〜50mにアジの群が入っている」と言うが、なぜアジと判るのか不思議だった。続いて「また別の魚が入った反応あり」と聞いたので、「ブリかもしれませんね」と言うと笑っていた。

定置網の水揚げ作業船に乗船
 海上は陸で想像する以上の風があり船も揺れたが、大小4隻の作業船は手際よく網揚げ作業を開始した。今は網を巻き上げるローラーがあるので昔ほどの重労働ではないものの、2隻の船が徐々に接近しながら両サイドから網を絞るように揚げていくには皆のタイミングが揃わなければならないはずで、合図の笛の音が聞こえるたびに緊張した。
 まず最初に見えてきたのは大きいタイだった。大物はすかさず網ですくって魚槽に入れ、アジなど小型で大量な魚種はクレーンを使って揚げる。同じ作業が何度も繰り返され、やがて2隻の船倉は漁獲物で満たされた。「今日の漁はいつもより多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?」と聞くと、「10d強(通常は8d前後とか)で予想以上」ということで、急きょ氷を補給し直接船で伊東魚市場に運ぶことになった。
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定置網の水揚げ作業
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