山口県北部にある萩市、阿武町、須佐町、田万川町の1市3町に14の支所があり、組合員数は3,077人、所属漁船は1〜5d級を主体に2,068隻。平成13年度末の総水揚量は9,952d、総水揚げ金額68億9,300万円で、「昭和50年代には越ヶ浜支所だけで75億円あったが、今は全体でもそれに達しない」と言う。新市場ができるまでは越ヶ浜、三見、大井湊、奈古、宇田郷、須佐、江崎の7ヶ所にそれぞれ市場があったが今年3月31日で廃止となり、水揚げは新市場に一元集荷されることになった。一方、煮干などの生産が主体だった江崎支所はイワシ・ヒラゴなど加工魚専用の分場として残した。各支所ごとに特徴があり、越ヶ浜は延縄のフグやアマダイ、三見は建網・定置、玉江浦・大井湊・須佐はケンサキイカ、浜崎はシラス漁、小畑は底曳きのエビ・カレイ・キンタロウ(ヒメジ)、大井浦は採貝藻、大島は中型巻網のアジ・サバ、見島・宇津では1〜2月にマグロ一本釣りでクロマグロが揚がる。
新市場は工夫がいっぱい
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新市場
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萩漁港にできた新市場『山口はぎ水産物地方卸売市場』は、「できるだけ衛生的な市場にしようということで造られたんです」と長岡参事が翌朝のセリに備えて整えられた市場を案内してくれた。まず、車両の乗り入れを防止するための段差。市場に入る車の入り口は車両消毒施設のある一箇所のみとなっていて一方通行。消毒装置の中を通らない車は段差があるので入れないようになっている。床のコンクリートには隙間を防ぐコーティングがなされ、床に付いた菌などを流れやすくしている。市場内で使われる海水はすべて海水ろ過・殺菌装置で殺菌されたものが使われている。また、天井の"張"はいっさい外に出ないよう埋め込み式になっている。これはカモメなどの鳥が糞をする場所をつくらないようにと考えられたもので、雨トイにも針を付けて鳥が止まらないように工夫されている。1週間に1度は80℃の高圧温水洗浄機で場内の清掃をし、フォークリフトは排気ガスのない電動式を使用。そのほか魚の鮮度を保持するための活魚施設、冷蔵施設も整っている。
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