----- 能登半島外浦には固い共同精神が受け継がれていた-----
石川とぎ漁協
定置網漁船に乗る
 

うれしいことに翌朝、定置網漁船『西海丸』に乗船させてもらえることになった。今江半兵衛漁労長率いる14名の漁師さんと共に午前2時半出港。定置網は沖合4km、水深40mの場所に設置されている。深夜の海上は6月とはいえかなり冷え冷えしたが、周囲は船の灯りで予想以上に明るかった。2隻が互いに網を巻き上げながら徐々に接近してくると自然と期待が高まり、やがて大小の魚の跳ねるのが見え水揚げ作業はピークを迎えた。タイ・ブリなど大物は網ですくい揚げ、トビウオ・アジなどはクレーン付きの大型網で吊り上げドッと魚槽へ。船上には数基の氷水タンクも置かれ、一連の流れの中で手際よい魚種選別も行われている。この日の漁で目立ったのはマダイで、1船の魚槽は立派なタイで埋まってしまった。水揚量はマダイ・トビウオ・サバフグ・アジなど約1dで、うちマダイは200`あった。今江漁労長の「今日はいつもより漁があった」という言葉を聞きホッとする。能登外浦の定置網漁は3月15日から11月15日まで8カ月間の操業となっている。
 4ヵ所の網を揚げ約3時間後に帰港すると、荷捌き場ではすでに選別・出荷体制が整っていた。箱詰めされた魚は4dトラック2台で氷見市場に向け出発した。


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定置網漁船に乗る

土地の料理

今江漁労長