----- 能登半島外浦には固い共同精神が受け継がれていた-----
石川とぎ漁協
富来(とぎ)のブランド商品
 
高岩権治組合長

高岩権治組合長は身体も大きく元気な方で、約束の時間きっかりに待っていてくれた。とぎ漁協の特色について聞くと、「苦難と闘争の歴史の中で組合員の協同精神・団結が培われ、今でもその絆が続いている。主力となっている3カ統の中型巻網は、組合員が互いに協調し船を持ち寄って船団を組んでいる。5〜12月は巻網の協同操業で、1〜4月は底曳き・エビカゴ・刺し網などの個人操業という形をとっている」という。ご自身も「18〜42歳まで反骨精神のもと沿岸闘争をやってきた。40km沖の瀬にアジやサバが居着いている場所があるが、そこへ大型巻網船団がきて脅かした。底曳き網漁船との争いや原発反対闘争もあった」と過去の歴史を振り返る。そして最近の状況について、「4年前をピークに金額は下降線、魚食普及のやり方を転換するなど国も生産者保護を考えてくれないと…。このままでは漁業はなくなってしまう」と懸念する。しかし、その後には同漁協のブランド商品"富来(とく)サバ""富来(ふく)らぎ"について熱く語ってくれた。

富来サバ
漁港外の生簀

漁港の外側に数基の生簀が設置されている。これはサバとブリの幼魚(100〜200g)の蓄養施設だ。当日出荷されていたサバは昨年の秋に生け込まれた魚で、1尾600g〜1sになっている。組合長が「小ロットで出荷しないと捌けないし価格も維持できない」という。
ように、1日80〜90箱(1箱4`入り)が10箱以下に配分され東京、神奈川、名古屋、大阪などへ輸送される。価格は`1,500円前後らしい。
 "富来(ふく)らぎ"は出世魚のブリ(モジャコ→ボウズ・コゾクラ→フクラギ→ハマチ→ガンド→ブリ)の700g〜1sサイズの呼び名を漢字に当てはめた商品名で、説明を聞き大いに納得。沖で活き締めしたものを1尾ずつ計量機にかけて選別し箱詰めする。ツヤもよく手頃なサイズが好評だ。このほか、モジャコ(200g前後)にオキアミやミンチなどの餌を与えて約1カ月育てて200〜500gほどにし、9〜10月に養殖業者に出荷するための生簀もある。モジャコが不漁な年には四国や九州の養殖業者の引き合いが強く、1尾が400〜500円で販売されることもある。

 

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富来のブランド商品

土地の料理