-----南北260kmの海岸線には“ハタハタ”への変わらぬ愛着があった(P4)-----
秋田県・秋田県漁協
八郎潟干拓地を抜ける
 
八森の直販所「観光市場」
 その後、県内でもハタハタの生産地として名高い八森へ向かう事になった。山本さんが「出漁があれば午後7時からのセリが見られます」と言っていたので楽しみにしていたが、残念ながら「風速14mなので船は出ていません」という結果になってしまった。土崎から八森までは車で1時間半くらいだろうか。途中、八郎潟干拓地の中を抜けて走ることになるが、真っ直ぐに延びた長い道路はまるで北海道にいるような錯覚を起こす。八郎潟の干拓事業は30数年前に始まったと思うが、子供の頃の記憶では地図帳がまだ水色の湖で“土地”ではなかったはずだ。佐々木専務によると、「米を作るモデル農家として全国から入植を募った。広さは東京の山手線がスッポリ入って余るくらいの広さ」だそうだ。しかし、全部が埋め立てられたわけではなく現在、南側に調整池が残されていて「ブラックバス問題が起きている」と言う。資料によると、平成4年に八郎潟で4,300dのシジミが漁獲されているが、これは「海水が流入して汽水域となりシジミが異常発生した」からだ。その後は内面の水位を上げたので海水が入ることはないが、全国的に波及しているブラックバスが増えているようだ。干拓地は『大潟村』となっていて大半は水田や田畑として利用されている。秋田といえば“あきたこまち”など米の大産地でもあり、道路の両側にはずっと水田の広がる景色が多かった。
 
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八郎潟干拓地を抜ける
刺し網漁の工藤昭人さん
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