サオのしなり具合を計算して突く
  
漁を終えてほっと一息の星野さん
 「サオのしなり具合を計算して突くのがコツだよ。突いたあとは手早く取り込まないと、せっかくのサデーを海中に落としてしまうからね。この漁は海のうねりを利用するところにむずかしさがある。まあ、年期が必要だな。」
 星野さんのいうサデーとはサザエのこと。ついでにいえば、白浜では「アワビ」を「ケエ(貝)」といいます。
身が締まった冬のサザエ

 サザエは通常春から初夏が旬とされますが、星野さんの眼鏡漁は12月と1月。「5月から9月までは水中メガネとウエットスーツだけの素潜りで、サザエとアワビを獲っているよ。それに7月と8月をのぞいて、年間イセエビ網をかけている。これにサザエがかかるときがある。だから、ここではサザエをいつでも食べられる。でも、め突き漁で獲った真冬のサザエがコリコリしてもっともうまいよう」。
「夏のサザエで口ばかり」という警句があります。身が細って殻の口ばかりが目立つ夏のサザエにたとえて、口ばかり達者な人を意味します。昔の人は寒い頃のサザエのほうが、夏のよりもずっとおいしいことを知っていたのでしょう。


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CONTENT
サザエとは「小さな家」の意味
海底をのぞいて獲る眼鏡漁
みごと!四つ又にサザエをはさむ
サオのしなり具合を計算して突く
ここのサデーはうめえよ
サザエの料理