タイトル写真提供 : 斉藤 高根氏

サザエとは「小さな家」の意味

荒波の向こうに白浜の町
 殻に角(突起)があるサザエと、角がないのとがあるのを知っていますか? 荒海で育つサザエは角を岩にはさみ、潮に流されるのを防ぎます。そのために角が不可欠なのです。内湾や静かな海のサザエは、その必要がないため角がありません。あの角は生きていくための必需品なのです。土地によっては、角なしサザエを「丸腰サザエ」と軽んじたりしますが、角があっても、丸腰であっても、味に変わりはありません。
 
白浜は観光と漁業の町
サザエの語源は古語の「ささ」(小さな)「え」(家)から転じたとされています。古代人たちには、海底の岩に付着している殻が、小さな家に見えたからにちがいありません。漢字では「栄螺」と書きます。螺は巻貝のことです。栄の漢字は、角の様子が、いかにも栄えて見えるからでしょうか。

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CONTENT
サザエとは「小さな家」の意味
海底をのぞいて獲る眼鏡漁
みごと!四つ又にサザエをはさむ
サオのしなり具合を計算して突く
ここのサデーはうめえよ
サザエの料理

取材:野村祐三