台風による被害で3日間寝込んだことも
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ホタテガイ養殖では籠の掃除などこまめな作業が求められる。
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  ホタテガイ養殖はほとんどが垂下式です。これには2つの方法があり、1つは籠の中に稚貝を数個から十数個いれて、その籠を積み重ねて筏から海中に垂下する方法です。斉藤漁業ではこの方法を採用しています。   もう一つは籠やネットで中間育成して、5〜6センチになったところで殻の耳に穴を開け、糸でロープに結びつけて、筏から垂下する方法です。いずれも3〜4年で出荷します。
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出荷のため筏にむかう斉藤漁業の皆さん。
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  斉藤さんが昭和61年にホタテガイ養殖を始めると「友人たちからは、あんな面倒なことをよくやるなあと笑われた」。そんな冷笑にはめげなかった男も、過酷な瀬棚の海には何度か屈服しそうになったと頭をかきます。   最大の苦難は平成2年にやってきました。「台風で出荷直前のホタテや籠などすべてを流してしまい、500万円の損失をこうむっった」。さすがの海の男も3日間寝込んでしまったそうです。そのときの歯ぎしりまでが聞こえてきそうな話です。
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漁港の水槽で出荷を待つホタテガイ。
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  それでも、その頃になると斉藤さんの胸のうちに自信らしきものが芽生えてきました。ホタテガイを試食したところ、ひいきめではなく、どこのよりも歯ごたえがよく、またあふれる生気を感じたからです。
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