市場には赤い魚やシビ、仲買人は鮮魚店
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ツムブリを計量する
高野寿師さん |
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ツムブリ |
翌朝は風が強く雨が降っていた。宿泊したホテルは漁港の北側に隣接する“ウドノスビーチ”沿いにあり歩いて 10 分もかからないが、夜明けは遅く“街灯”もないので真っ暗な道を恐る恐る進んだ。市場に着くと漁協職員の高野寿師さんたちが“ツムブリ(ヤマトナガユー)”を計量して入札準備を始めていた。かなり大型のツムブリは曳き縄で獲り今が 1 番美味しい時期らしい。「ここでは赤い魚が重宝され値も出ます。行政的には鹿児島ですが文化的には沖縄県です」との言葉通り、その後漁師が出荷してきた魚は赤いナンヨウキンメ、ハマダイ、ピンク色で顎にヒゲのある通称“オジサン(ヒメジ)”、ハマダイ、ツバメダイ…などが目立った。イセエビ・タコは素潜りで獲るそうで、「タコはモリで突くので活けではない」。
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ハマダイ |
オジサン(ヒメジ) |
ツバメダイ |
イセエビ |
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阿多健夫さん |
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シビ |
『拓洋丸』の阿多健夫さんは新鮮なシビを持ち込んだ。ソデイカ漁もやっていたそうで、「イルカの群が来るとその日は漁にならない。イルカは凄まじい勢いで魚を食い尽くす。イルカを保護することこそ乱獲だ」と環境保護団体に抗議の声をあげていた。
「与論島は島のわりには魚をよく食べ鮮魚店 10 軒とスーパーがある」そうで、仲買人は島の魚屋さん。入札が始まる 8 時近くになると女性の姿も増えセリ場は賑やかで明るくなった。中でも『情(せい)鮮魚店』の情花子さんは市場の人気者とか。ヘルメットをかぶりバイクで元気に通ってくる。
1箱ずつ「入札中」のプラカードを移動させながら行われる入札はベルの音が鳴り終わるまでに所定の場所に札を入れる。この日はハマダイが` 1,585 円、6`物のシビが` 360 〜 1,200 円、 6.5 `物のツバメダイが` 900 円だった。
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