モズク養殖やパヤオ利用とサンゴ礁のこと
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珊瑚礁のある島南部の海岸 |
「昔はサバニ(沖縄・奄美地方に伝わる木製の小型手こぎ漁船)で追い込み漁や一本釣りでした。岸壁はなく砂浜で船は 4 人でかつぎあげたものでした」と。トビウオのロープ引き漁や1尾4〜5sもあるタチウオの一本釣りが行われ、モズク養殖も与論島で始まった。「今も島の東側で1軒やっています。ここのは太目で歯ごたえがあり好評です。去年は不作で在庫もない状態ですが、今シーズンからは若者が 1 人新たに始めます」と心強い話。
島の周囲には国・県・漁協が設置したパヤオ(浮き魚礁)が数十個あり、カツオ・シビ・マグロ・シイラの漁場になっている。そのうち、漁協が利用しているのは「直径2 m のパヤオが 10 基」。
「リーフは魚の産卵場所であり、小魚が外敵から守られる“魚の保育園”・成育場所でもあります」と組合長。しかし、近年はサンゴの白化現象やオニヒトデの発生などでサンゴが減少している。与論島でも然りで、「 25 〜 26 年前は島の周りが全部テーブルサンゴ・ミドリイシサンゴ・エダサンゴだった」とその頃のみごとなサンゴ礁の写真を見せてくれた。組合長は「何よりも人間の生活優先スタイルが 1 番影響している。この島もサトウキビに頼ってきた時代があり農業関係の肥料・殺虫剤などが流れて影響した」と言う。「軽い白化現象は直るし自然は再生能力を持っている。根本を直そうと運動を起している」そうだ。
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