----- 歴史漂う天草下島では活魚が目立つ (P2)-----
熊本県・あまくさ漁協
環境や流通形態が変化した
シロダイ

  森口参事は近年の漁模様について、「温暖化による環境異変の影響か魚の季節感がなくなり生態系の変化を肌で感じている」と言う。「ヒラマサやアラ類はほとんど姿を見せなくなったし、タチウオも小さくて商品価値のない“包丁タチ”しか獲れなくなった。6〜 10 月が盛漁期だったシイラなど夏場の魚が、冬に水揚げされるようになった」と。

 熊本本土の三角町から天草上島の入口「松島町」を結ぶ国道 266 号に架けられている5本の橋“天草五橋”が開通したのが昭和 41 年( 1966 年)9月で、「これを境に流通が大きく変わった。陸送できるようになったことは大きいが反面、島の生活も変化し昔ながらの“素朴さ”が失われてきたようだ」と参事。橋の開通で利便性は得たものの、それでも「熊本市内までの所要時間(約 2 時間)がネック」だそうだ。


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