----- 交易で栄えた松前藩の名残があった(P6)-----
北海道・松前さくら漁協
本所で組合長に会えた

佐藤正美組合長

 「 1 町1単協の中に 12 の漁港があるのは全国でも珍しいんですよ」と上野さんから説明を受けながら赤神地区の本所に佐藤正美組合長を訪ねた。「ここは漁船漁業一辺倒だったのでロシアが 200 海里を設定した昭和 57 〜 58 年にはイカ、サケ・マス漁が壊滅的打撃を受け廃業・減船が続いた。方向性を見出すために経営の改善をしなくてはならず財務基盤を強化した。平成元年からはコンブ・アワビの養殖を始めたが完全に独立できる体制にはなっていない。毎年6〜7月はイカ漁の県外漁船が集まり5億円の収益があったが、ここ 3 年は周辺にイカがつかなくなり1億円に減収している」と厳しい状況が伺われた。直販事業についても「組合は利潤追求ではなく会員組織だからむずかしい。漁業者に利益をもたらすようアワビのほとんどは直販課で扱っている。完全に商社化できないのが悩みの種」と。漁業者の平均年齢も 64 〜 65 歳と高く「後継者問題が 1 番だが高齢者は自然淘汰されていくだろう。若い人はそれなりに生き残れると思うが、あと 5 年で組合員は現在の 600 名から 400 名に減ると考えている。定番のアワビ・ウニ・コンブ漁業は大事にしながら養殖も進めていきたい」と話してくれた。


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