----- 交易で栄えた松前藩の名残があった (P4)-----
北海道・松前さくら漁協
スルメイカのほとんどは“干しスルメ”に加工

伊川廣幸市場部長

 翌朝、午前 4 時にスルメイカ漁の漁船が入港すると聞き松前漁港で待機した。沖合 24 〜 25 `の日本海が漁場で、前日の夕方出港した船が帰港する。薄暗い海上を見つめていると4〜5d級の漁船が次々にこちらに向かって走ってきた。『寿丸』『宝漁丸』『不動丸』『新漁丸』・・・と 13 隻が入港し水揚げが続いた。1隻当たりの水揚げは 12 〜 40 箱だったが、そのほとんどは発泡箱ではなく木箱に入れられていた。

イカ釣り漁船

水揚げされたイカ
伊川廣幸市場部長によると、「仲買人は松前の加工屋がほとんどで“干しスルメイカ”に加工される。木箱は加工屋行きで発泡は生鮮出荷のもの」だそうだ。他漁港から陸送されてきたものを含め当日は木箱 800 箱( 100 〜 120 尾入り)、発泡 400 箱( 20 〜 25 尾入り)の水揚げだった。船ごとに入札が行われ落札されたスルメイカは加工屋が手配したトラックに積み込まれる。相場は木箱が 1 箱 3,800 〜 4,900 円、発泡 1,400 〜 1,700 円で、「今年は原料不足で相場が極端に高くなっている。在庫や冷凍物も少なく去年の倍値」という。


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