魚を誘うアタマの輝き

カツオを誘う自作のアタマと疑似餌のタコベイト。
   曳縄漁の仕掛けには、タコベイトと呼ぶビニール製の疑似餌を使います。それに隠れるようにして二股バリを結び、その根元に賀茂村でアタマ呼ぶ、長さ1センチ前後の紡錘形の玉を固定します。この玉の光りが魚を誘います。山本さんはアタマを手作りして趣向を凝らしています。
「市販のアタマでは満足しない。鹿の角やサンゴ、アワビの殻などを磨いて作る。私らは南方の貝で作るのが、一番カツオの食いがいいように感じるな」
船の生簀から活魚を取り出し、民宿大和丸の料理にかかる。
塩ガツオ。賀茂村ではこれを神棚に飾り、大漁を祈る風習がある。保存食でもあり、焼いて食べる。写真はソーダカツオを使っている
 山本さんの作業場をのぞくと、昆虫の標本箱に似た入れ物に、何十個のアタマがきちんと収まっています。まるで博物館に展示されているいわくつきの宝石のように見えました。
-4-
戻る ・・・ 次へ

 

CONTENT
曳縄漁法で沿岸のカツオを狙う
船を走らせながら仕掛けを流す
日戻りガツオのおいしい理由
魚を誘うアタマの輝き
郷土料理「まご茶」の醍醐味