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五島ブランドのシビ
「優鮪(すぐれもん)」 |
北国がまだ吹雪のさなかにある頃、五島列島の浜には一足先に春が来る。鮮やかな黄色が海岸に映える菜の花、白い花をつけた水仙の群落、そして浜に真っ赤な彩りを添える椿。海では特産のシビ(クロマグロの仔)の引き縄を終わろうとしている。
各集落の丘の上や、半島の突端には、五島の歴史を偲ばせる教会が忽然と姿を現す。いまも漁業者の間にキリスト教徒が多いと聞くと、厳しい中を生き抜いてきた500年の歴史の輝きを今に見る思いがする。
下五島の中心・福江島には、行政、流通、交通の中心である福江市をはじめ富江、玉之浦、三井楽、岐宿の4つの町がある。それぞれの浜には、漁業を生業として生きてきたそれぞれの歴史がある。組合合併が始まって5年目、今年2月に島を一丸とする体制が見えてきた。
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南の好漁場、五島の海 |
かつて東洋一の漁場とうたわれた浜には、過去の栄光に生きる老人達も多い。同時に、新しい時代にむかって、新しい生き方を始める漁業者達もいる。タイの養殖をパソコンで管理する青年、今年から定置網で働きだした茶髪の17歳。仲間と一緒に太刀魚を五島ブランドにしようと頑張る壮年。
島の周りには、豊かな漁場が広がる。歴史と伝統の島ではいま、51歳の若い組合長を中心にして、次の時代へ向けて新しい協同運動が始まっている。 |
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