浜の暮らしを支える資源管理 |
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鵜戸 湯浅 勝好(磯建て網・定置網)
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私の漁業の中心はイセエビ漁です。毎年一人当たり5キロの稚エビを放流しています。はじめてから20年にもなりますよ。おかげで毎年安定した漁を続けています。今では天然物だけに頼る時代ではないことを皆知っています。 放流と同時に資源の管理もしっかりやっています。各地区ごとに禁漁区を設定して、稚エビの成長を助けます。出漁する日も月に20日と決めています。網の数も一人70反。親子で操業の場合には100反と決めています。育てている資源を荒らさないようにきめ細かく約束しているのです。
他の地区では、共同操業、プール計算をしている地区もあります。 |
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藻場組合代表・油津 中村 隆則
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私たちの漁は、「もぐり」と定置です。アワビとトコブシを毎年5千個から1万個放流しています。春先は、海に小魚が多いので放流したものが食べられないように気をつけています。浅いところには特に魚が多いので深いところまで潜って一つ一つ岩に付けてやるのです。以前には、岸近くに放流しましたが、今は、沖合いまで行って放流します。密漁で獲られてしまうからです。 |
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油津 中村 貴明(24歳)
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学校を出てからすぐに父の船に乗って6年になる。4年間は定置網で見習として働いていたが、その間に船舶操縦士の免許も取った。定置には珍しい魚も入ってくる事もあり面白いよ。ハリセンボンがたくさん入って他の魚を痛めたこともあったが、タツノオトシゴが入った時にはすぐに水族館に持っていったよ。漁師のいいところは朝早いのを除けば自分の時間が自由になることだな。 |
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油津 井上 俊彦(潜水)
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海を大切に使っています。冬にはアワビ、サザエ、などの貝類をとり、夏には石鯛などの「突き」と、「もぐり」もこの地方では昔からの漁法です。私たちも放流のために一人当たり年間6千円の積み立てをしています。ですから海の中の資源は私たちが育てているものなのです。小さい貝を放流して海の中で大きく育てて獲っているのです。今どき、放流をやめたら漁業は成り立ちません。その放流した貝を根こそぎ獲っていくのが密漁なんです。資源は少なくなり、もぐり一本で暮らしていける時代ではありません。
レジャーボートで獲っていく人もいますが、これで暮らしている人たちのことを考えてもらいたいのです。 |
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