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これから初夏にかけて
一番の旬を迎えるマグロ |
明るい太陽と輝く海。宮崎県の南部、日向灘に面した日南市漁協。近海マグロ漁の油津(あぶらつ)、カツオ一本釣りの大堂津(おおどつ)、そして磯漁主体の鵜戸(うど)。業種も気質も違う3つの組合が合併したのは9年前。それぞれの地域の特色を生かして着実な事業展開を図っている。 春から夏へ、日向灘沖合いを黒潮に乗って北上する魚群を追って全国の漁船が集まる。直線で200メートルもあるクレーンを備えた水揚げ岸壁。この岸壁を利用するマグロ漁船の8割が外来船。沖合いで獲れた新鮮な生のマグロは、ここから東京・築地をはじめ全国の消費地に運ばれていく流通の拠点でもある。新装なった本部事務所には、24時間、何時でも利用できる漁船員のための風呂と休養室が外来船の入港を待っている。
最新の装備をした真新しいカツオ一本釣り漁船が岸壁を埋め尽くす大堂津の港。藻場造成や資源管理を地域ぐるみで取り組み豊かな磯漁を営む鵜戸地区。新鮮で美味しい魚を、消費者に提供しようと朝市や加工に取り組む元気な婦人たちの姿もある。
室町時代には、中国貿易の寄港地として栄え、江戸時代には、飫肥杉(おびすぎ)を搬出する港として、大正時代には東洋一のマグロ漁の基地とうたわれた油津。街中の堀川運河とその石垣に僅かにその名残を留めながら、今年も、静かに春漁の始まりを待っている。
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