-----養殖ガキのオーナー制導入が話題を呼ぶ(P3)-----
京都府・湊漁協
養殖ガキのオーナー制について
大型の円形活魚水槽が並ぶ
 活魚生簀の中の1つは養殖ガキの殺菌装置となっていて、出荷する1日前にこの中に入れ1晩置くことで殺菌される。久美浜湾でカキ養殖が事業化されたのは昭和18年(1943年)と歴史は長い。1年物のカキで今は毎年3〜4月にかけて宮城県から仕入れた種カキをロープに取り付け筏につるす垂下式で育て、半年後の11月〜翌年3月末の期間に出荷される。湾口に近い通称“河内湾”が養殖水域になっていて棚1台(8m×12m)に300本のロープが下がっている。養殖ガキ業者は約100名で年間100d(ムキ身で)前後が生産されている。久美浜湾には栄養豊かな山から続く4本の河川が流れ込み、日本海の海水と混合することで味の良いカキに成長すると言われている。
 組合長によると、「昔はカキの販路がなくて漁師個人々が売り歩いたこともある」と。ある時、「桃や梨の木が1本いくらで売りに出されているのを知って“オーナー制”を思いついた」そうだが、ここまで来るまでには幾多の難題もあったようだ。「NHKが水揚げから荷造り・出荷までを取り上げ放映すると2日間電話が鳴りっぱなしだった。最初のオーナーは300名で1人ロープ5本分だから1,500本がオーナー向けに出荷された」。オーナーになっているのは府内・神戸・大阪に住む人が多く、「沖縄に送ったこともあるが時間がかかり過ぎてダメだった」。契約オーナーから要請があると先の殺菌装置に1晩漬けた後、ロープ1本単位ずつ発泡箱(30cm×40cm)に詰めて発送する。送付期間は12月20日から3月10日までで、当日は21箱の送付依頼があった。殻付きカキ1個(150g前後)が30円ほどで、これは漁協直販所で売られているカキの半値だ。しかし、できの悪い年があったりオーナー継続者も多いので「これ以上の拡大は検討中」だ。

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養殖ガキのオーナー制について