京都府・湊漁協
 
雪景色の久美浜湾漁港
 京都府の最北端、丹後半島の西に知る人ぞ知る素晴らしい場所があった。京都駅から日本三景の1つ“天橋立”まで約2時間、そこからはブルーの可愛い電車・北近畿タンゴ鉄道に乗り換え40分ほど走ると久美浜町に着く。ここに周囲12kmで入り込んだ久美浜湾があり、日本海に出る湾口は僅か30〜50mで、湾口の東に6km続く砂浜と松林は天橋立(大天橋)に相似することから“小天橋”と呼ばれている。湊漁協の事務所はその内湾にあり古くから久美浜湾を中心とする漁業が営まれ、昭和18年から開始されたカキ養殖に平成元年からは『オーナー制』を導入するなど画期的な事業展開を行っている。3月に入ったとたんに冷え込んだ日、雪景色の久美浜湾も一見の価値があった。

組合長に聞く

 
漁協事務所
和田市郎組合長は元気でヤル気満々の話題豊富な方だった。「大昔は湾に3〜4の組合があったが昭和38年に久美浜町に1漁協・湊漁協ができた。今年4月1日には6町(弥栄町、峰山町、網野町、大宮町、丹後町、久美浜町)が合併して『京丹後市』になり、漁協も平成17年度末を目標に京都府は1漁協になる予定だが漁業は封建的で10年遅れている」とまず喝を入れられた感じだった。
和田市郎組合長
「久美浜は湾がありほどほどの漁ができたので“ここで食えれば日本海に行かなくても…”ということで日本海漁業が遅れ(留守になり)船も大きくならなかった」そうだ。地域で“キンタローイワシ”と呼ばれるマイワシやコノシロ、ハマグリやカキも獲れる好漁場だったという。
 組合員は309名で大半は事務所のある湊宮地区に集結され、所属漁船は350隻。昭和56年から漁協自営の大型定置網2カ統を開始、日本海の沖合1〜3.5kmに設置され繁栄している。他に1本釣り・刺し網漁・水視・ケタ網漁などが行われている。定置網は周年操業で水深45mと35mの場所に設置され乗組員は18名。「網をきれいにし網目を大きくしたことで潮が流れ網の形がくずれなくなった」など網を管理したことで漁獲量は倍増した。しかし、「昨年はエチゼンクラゲにやられ、今年はハリフグが入っている」ため漁薄となった。水揚げされるのはハマチ類、サワラ、アジなど青物で、「去年は100`前後のクロマグロが39本入った」そうだ。和田組合長は「定置網操業を今年中には生産組合か有限会社か株式会社にすることを検討している。合併までにはキチッとする」と語った。
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組合長に聞く