福井県・丹生漁協
 
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右後方は関西電力美浜発電所
 美浜町丹生(にゅう)は若狭湾に面する敦賀半島の西側にある。拠点となるのはJR北陸本線とJR小浜線の交わる“敦賀駅”で、ここから敦賀湾沿いに1.5km続く“気比(けひ)の松原”の間を抜け車で20分も走ると海水が真に水色に輝く素晴らしいビーチのある若狭湾側に出た。丹生漁港はその先、釣針状に曲がって囲まれた場所にある。昔からずっと変わらない65世帯が1世帯1組合員となっていて全世帯が何らかの形で漁業に携わり、女性も各世帯から1名が女性部に所属しているというように、地域全体が漁協を核に形成されまとまっている。現在まで“長男の祭”など世襲制を重んじる行事や仲間意識を高める“講”の集会が受け継がれ、若い世代にも「守っていこう」という気配が感じられるのはうれしいことだ。一方、丹生漁港を囲む外れには関西電力の“美浜原子力発電所”が立地し、湾内には県が事業主体の“海洋牧場”が開設されている。時代の流れの中で漁協の未来に向かって取り組む丹生漁協の姿があった。

大敷網を主体に多種業

 
湾外から見た漁港
丹生漁協の設立は昭和26年(1951年)で、平成3年3月に移転するまではちょうど湾の中央部に事務所建物があった。世帯数はその頃から変わらず65世帯で、「分家はさせない」ので次男・三男や女性は外に出ることになる。そのうち22軒が民宿を営み釣り船など遊漁に関わる者もいる。所属漁船は5d未満船を主体に74隻で、
丹生漁港
刺し網・釣り・採介藻・養殖漁業などのほか、“村張り”の大型定置網(大敷網)2統と小型定置網5統がある。沖合1〜2kmに敷設された“大敷”は日本海の冬場のシケに絶えられないため4月から12月までの夏敷だが、昨年は大型クラゲの猛襲で10月9日に網を揚げた。「9月末から入りはじめ毎日クラゲを捌かす繰り返しだった」と言う。その時の写真をみせてもらったが、魚は見当たらず網の中はクラゲでいっぱいだった。岸壁沿いに引き揚げられた網や浮きが積み上げられているのを見たが、浮きには貝殻がビッシリくっついていて、「定置網の敷設前には網の補修や貝殻落しの作業に1カ月かかる」と言っていた。
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大敷網を主体に多種業
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