モズク養殖は母草作りから
成長したモズクがエメラルド色の海に見える
タンクに網と母草を入れ、網に胞子を付着させる
 渡名喜さんにオキナワモズクの養殖方法を聞きました。
「久米島では、天然胞子から母草を育成しているんですよ。9月中旬に、幅10センチ、長さ1メートルほどのビニールシートを二つ折りにして網にくくり、天然モズクがある海中に取り付けておきます。するとビニールシートにモズクの胞子が付着して、12月になると20センチほどに成長します。これを中潮と大潮のあいだに採集して母草にします。次に陸上のビニールハウス内で一つのタンクに2.5トンの海水を満たし、1枚が1.5×20メートルの網を40枚と母草を入れておくと、10日前後で胞子が放出 されて網に付着するんですよ」
 中潮と大潮のあいだにかぎって母草を採集するのは、なぜか小潮のモズクは胞子を放出しないため だそうです。
 
モズクの収穫。
「久米島のモズクは色も歯ごたえもいいよ」
「苗床の場所を決めるのが毎年の悩み。今年はここに決めた」と渡名喜さん
12月から1月末のあいだの大潮に、この網を10枚ずつ重ねて、水深2〜3メートルの海底の苗床に地張りします。苗床の40〜45日間で1〜2センチの芽が出るので、これを本張りと呼ぶ別の海中に移します。それから65日前後で、成長したモズクが採集できるそうです。
 本張りのモズクは最初のうち網の上側へ向かって成長しますが、成長すると網の下側に伸びてきます。したがって、本張りの網と海底、網と網のあいだは、成長したモズクの長さ以上の間隔が必要になります。
「養殖のポイントは苗床の場所探しですね。海の条件が適さなくて、1本の芽も出なかったことがあるんですよ。もう15年もモズク養殖に取り組んでいますが、苗床選びには毎年頭を悩ますことになります」
 と渡名喜さんは頭をかくのです。

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