春のカツオ漁が始まった御前崎漁協を訪問した。静岡県の最南端で駿河湾と遠州灘を分けるように太平洋に突き出したところにある御前崎の沖合は、黒潮と親潮が合流する絶好の漁場で江戸時代からカツオ・シラス・イセエビ・キンメダイなどの漁が盛んに行われてきたという。岬に建つ"御前崎灯台"も、1635年に徳川幕府が船の道しるべとして見尾火(みおび)灯明堂を建てたのが始まりと言われ、今もしっかりと灯りをともし続けている。
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元気な笑顔があった
事務所のある漁業センターの建物に入ると、まず笑顔で迎えてくれたのが若くて元気いっぱいの松井利奈子さん、石田素乃巳さん、松下亜矢さん。彼女たちは翌早朝のセリ場でも、男性職員に混じってカツオの詰まった箱にキロ数を書いた紙を貼っていくという仕事をテキパキとこなしていた。「朝早いのはきついでしょう?」と聞くと、「二交代制になっていて早番は早く帰れるからうれしい」とはつらつとしている。
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御前崎漁協 |
御前崎漁協は組合員数1,600名、漁協職員50名で、平成13年度の水揚げ数量は4,208d、水揚げ金額約24億円。水揚げ量の6割、金額の5割はカツオが占め、続いてシラス、キンメダイ、キメジの順となってい
る。所属漁船は遠洋(大型)カツオ船7隻、近海カツオ船6隻とシラス船曳・一本釣りなどの沿岸船が約200隻で、カツオの漁期には宮崎・高知・三重などの外来船もここで水揚げする。遠洋カツオ船の水揚げは焼津で行われるので、御前崎市場の主役はもっぱら近海一本釣りの生鮮カツオとなっている。
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