----- 1県1漁協の先駆者は次期経営改善に取り組む(P5)-----
 
山形県・山形県漁協
立体冷蔵庫とマス流し網漁船
高梨幸男係長
立体自動冷蔵庫
 高梨幸男係長が立体自動冷蔵庫や岸壁を案内してくれた。平成元年に完成した冷蔵庫は船凍のイカ・サクラマスなどを一時的に倉入れする冷蔵庫(450d)と預かり荷などを保管する立体式(1,500d)からなり設定温度が1〜2度違う。冷蔵庫の管理を担当する白畑太さんは、「立体式の7割はイカやエビで埋まっている。中は7段になっていてパレット積みで管理室のコントロールで出し入れできる」と。管理室にある入出庫設定盤には荷主・品物・量などが記載されていた。荷崩れなどが起こると“異常コードボタン”が反応し「ピー」とかなり大きい音がする。
 市場の向かい側の岸壁にマス流し網漁船『第38正徳丸』110d

マス流し網漁船『第38正徳丸

が係留されていた。日本海のサクラマス漁に出る漁船で、「通常は3月10日に出漁だが今年は4月から6月末までとなった。その後はイカ漁になる」そうだ。去年まではもう1隻マス流し網漁船があったが火事でなくなったとか。岸壁には船に積み込む網の山があり、「ここでたたみながら船に積み込む」という。

新たな課題を抱え第3次経営計画を

 その他、漁協では平成2年から漁業者の価格安定のため付加価値を高める加工事業も展開し、地元の学校の給食食材として提供したり郵便局の“ゆうパック”を利用し年間1.5〜2億円を売り上げている。舩見専務は、「それまで内陸(山形市)の需要が5〜6%と少なかったが2ケタ台まで伸びた。卸会社や鶴岡生協の協力で“庄内の魚”の旨いことが認識された」と。山形県漁協では現在、第2次中期経営計画(〜平成16年)の最終年で、次期第3次計画を立案中だ。後継者問題、遊漁船との兼ね合い、事業管理費の削減などが課題となっているようだが、「漁協の合併は自立のための目的ではなく手段であり必ず黒字になるとは限らない。しっかりと計画・方針を立てないと容易でない」との言葉が重かった。
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