経営基盤強化を目指し合併 |
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舩見健治専務 |
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齋藤章管理課長 |
舩見専務に合併の大きな要因を聞くと、「基盤の弱い単協が多かったので経営基盤を強化することだった」と。昭和38年に沿岸漁業等振興法が制定され、県は構造改革事業を実施するためには漁協の整備強化が必要とし合併促進協議会を設立した。当初は3案(市町村単位・郡単位・県単位)が検討されたようだが、漁協経営をめぐる環境、総務、事業の各分野にわたり調査を進めた結果「庄内浜は一本化すべし」という結論に達し合併に踏み切ることになった。しかし、合併するにあたり最後まで問題になったのは@本所の所在地はどこにするかA赤字組合の損失金をどう処分するかB漁協自営事業をどうするか―だったとか。今から40年前、約3,000人の組合員を対象に啓蒙活動を展開し多くの紆余屈折を乗り越え合併に至るまでの努力は並大抵のものではなかったはずだ。
関係資料の中にある『1県1漁協のメリット・デメリット』には、メリットとしては@県内外とも対外的な信用力が増したA水産行政の支援・指導が受け易いB補助事業の導入が容易ほかがあげられ、デメリットとしては@全国的会議や県内会合が多くなったA水揚げ高等の事業量に関わらず各支所ともに同様の施設を作らざるを得なかったB厳しい漁業環境下で事業縮小を検討する時も地元の了解を得るのが容易でないなどとなっている。
「合併後は高度成長期でもあり事業が順調に進んだ。荷捌き施設など共同利用施設の充実と積極的な事業資金の融資で漁船装備の近代化が進み漁獲量も上昇。日本海マス流し網・イカ一本釣り漁業の基地として県外漁船の受け入れ体制も整い、合併時7億5,000万円だった販売取扱高が昭和54年には77億に達した」そうで、「大きな合併効果があった」。だが、50年代後半からはオイルショックと200海里制の定着で経費の高騰、水揚げ量の半減などで経営は下降線をたどっている。平成14年度の取扱高は30億4,400万円だった。 |
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