番屋でサケ料理のごちそう
  
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サケの腎臓。これがメフンの材料 |
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番屋にもどると、「ケイジを食べようや」と山内さんのうれしい誘い。羅臼ではルイベ(半凍結を生食する)でよく食べられるそうですが、この日は山内さんが好みという塩振り焼きでした。ストーブの上に半身をのせると、やがてジュージューと大きな音を立てて、脂がにじみでてきました。その熱々をたっぷりとつまんでほおばると、脂分たっぷりなのに、上品な味が口中に広がってきました。うまい!
番屋で乗組員の食事が始まり、そのおかずがあまりにもおいしそうなので、遠慮なく失敬させてもらいました。醤油漬けのイクラは、さすが漁師の手作り。これほどの傑作は記憶にないほど。「サケの腎臓を醤油漬けにした」というメフンは、塩漬けとちがって食べやすく、するするとのどを滑り落ちていきました。圧巻はサケの心臓と胃袋をストーブで焼いた一品。先ほど獲れたものだからか、臭みがまったくなく、絶妙な歯ごたえと妙味を楽しめました。
羅臼の漁師はサケで山漬けと寒塩(かんしょ)引きという保存食を作ります。山漬けはいわば漁師流新巻。山のように積み上げて塩漬けするために、この名があるのでしょう。寒塩引きは山漬けを寒風に干し上げたものです。この日の木切別漁業の乗組員たちも、食事を終えるとそそくさと自家用山漬けを作り始めたのでした。
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トバ。漁師の手作りがうまい |
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サケの心臓と胃袋をストーブで焼く。うまい! |
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